【ワーキングホリデー】

【AUS#06】同期入社した社員が、ある日突然クビになった話。

 

 

こんにちは!
筆者のRoninRonin@ No more work)です!

 

 

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【AUS#05】ブラック企業?荷物運び、手書きの営業日報…。 【前回の記事はこちらから】 http://roninwalker420.c...

 

 

今の会社に入社して1ヶ月。

 

会社にも大分慣れて来た頃、この会社の事が色々と分かって来た。

それは自分意外にも、同時期に入社した社員が数人存在していたということだ。

 

その事実が分かったのは大体入社してから1週間ぐらいした頃。

社屋内にある工場では、作業により作業場が分かれているので顔を合わせない人も多い。

 

お昼休憩の時間や、帰宅時間が同じでロッカールームで会うようになったのをきっかけに

話をするようになる社員も増え話をする機会も増えていった。

 

年齢が近そうな人と仲良くなり、話すようになって分かったのは彼らも同時期に入社した僕と同じ再就職組だということ。

 

それまで会話がほとんど無かった職場の仲間も一度話せば、すぐに距離は縮まり仲良くなっていった。

 

みな、別のセクションで働いているがなぜか同期同士は同じセクションには居ない。

いや、配置されない仕組みになっていた。

 

僕を含めた再就職は3人。

 

僕と同じ「営業職」として採用されたが、彼らも実際には工場で僕と同じ「荷物運び」要員となっていた。

 

そんな再就職組で集まって良く話すようになり、ある日の昼休みに話をしていた時だった。

再就職組のA君とB君。(A君「既婚子持ち30歳」、B君「新卒1年目未婚の23歳」)

 

A君「あまりここの人と話さないんですよね。年齢も違うし、ちょっと雰囲気も…」

 

B君「営業職って聞いたけど、なんだか荷物運びの為だけに採用された感じっすよねー」

 

職場の悪口というか噂的な話は一度、話し出すと次に次にとめどなく出てくる。

僕ら新入社員が感じた嗅覚は後に間違って居なかった事が判明する。

 

この会社は入社時に研修と称した「荷物運び要員」の期間は2ヶ月間とされていた。

この期間は研修期間とされており、その後の就業は会社と協議するという流れだった。

 

僕らは、3ヶ月後には皆が営業職に配置換えされるはずだった。

 

既婚のA君は5つぐらい下の年齢の嫁さんとできちゃった婚。

未婚のB君は「だるいっす」が口癖の若者という感じだった。

 

僕ら3人は仕事は辛いながらも、毎日頑張っていた。

仲良くなった仲間のおかげでお互いを励ます事で仕事は楽しくやれていた。

 

そして、そんな日々が続いた頃、長期連休がやってきた。

入社してから初の4連休だ。

 

会社員であれば皆がお楽しみのこのイベント。

 

月給制の会社員としては会社を休んでも給与が貰える最高のイベント。

連休はそれなりに楽しく過ごした。

友人と一緒に遊び、仕事のストレスも発散出来た。

 

そして、疲れをリセットした連休明け。

 

会社に出勤した時に事件が起こった。

 

 

 

 

B君が休み開け突然会社に来なくなったのだった。

 

B君は「飛んだ」のだ。

残ったA君と休憩していると部長がやってきた。

 

部長「B君、体の調子が悪くて仕事もう辞めるって電話してきたわー」

部長「まぁしょうがないけど君らは頑張ってくれよー」

 

僕がこの話を聞いた時に思ったこと。

 

「正社員でもバックレる人はいるのか?」ということ。

 

僕は過去には色々なバイトをして来たし、話のネタになるような面白いバイトもしてきた。

バイト先では突然人が来なくなる事は良くある。

 

しかし、正社員になって人が「飛ぶ」のを見たのは初めてだった。

正社員が飛ぶって結構やばい会社なんじゃないのか?

 

前の会社ではありえない。

辞めるにしても自分もそうだし皆、筋を通すものだと思った。

 

職場に残った僕とA君は一気に不安になった。

毎日油まみれの真っ黒になって、荷物を運ぶ日々。

 

営業職で入社したB君はその作業に耐えられなかったのだ。

 

その気持もわからないでもない。

B君が飛び、驚いたが数日すればすっかり無かったことに。

 

他の社員も彼が居なくなったことなど特段気にする事無く日常に戻っていた。

 

この会社は「人が辞める事に慣れている」ような雰囲気も感じ取った。

人が居なくなっても、誰も気にしないのだ。

 

そして、僕は無事に研修期間を終え営業職に配置換えになった。

工場での作業は終わり、営業車を割り当てられ、自由に外回りを出来るようになった。

 

作業服もスーツに変わり、エアコンの効いた車で人の目無く仕事が出来るのは快適だった。

それに、営業先に行き人と話すのが何より楽しかった。

 

自分は営業に向いているタイプだと自覚していた。

 

しかし、営業職になってからというもの良く社長から電話が掛かってくるようになった。

この社長は基本的に会社にはおらず本社にいる人間で、本社は遠方にあったので会うことはほとんど無かった。

 

この社長も少し変わっていた。

 

頻繁に電話を掛けて来て業務の遂行状況を訪ねてくる。

訪ねて来るのはいいのだが、運転中や客先で商談中で出れず、折り返すとそれを理由に烈火のごとく怒るのだ。

 

その怒りの理由たるや理解に苦しむもので。

 

「客先からの電話だったらどうすんだ!あぁ!?」

「やる気あんのか!?おらぁ!?」

 

などもはや電話の用件は何なのだ?という感じだった。

 

緊急の用事でもないし、日報で確認できる事を逐一日中に電話をして確認される。

まるで社長の後ろに誰かが居て、怒鳴る事を指示しているかのようにも見えた。

 

それに、この会社は社用の電話は準備されておらず自分の携帯を使うように指示されていた。通話料等の補助も無かった。

 

当時はまだ通話料が掛ければ掛かる時代。

経費が認められない電話はできるだけしたくなかった。

 

今であれば完全にブラック認定で「至急、逃げてください」のレベルの会社だろう。

 

 

さて、僕は営業職に異動したが、僕よりも早く入社したA君はというと…。

僕が営業に配置換えされた後も彼の異動は無く、研修期間の延長を指示されていた。

 

そして、営業職に異動してからしばらくが経過した頃だった。

相変わらずの毎日の「手書き日報」を社長へFAX送信。

 

そのFAX機もホームオフィス用で良く紙詰まりを起こして社員が直していた。

 

ちなみにそこそこ、大きい会社で複合機を使用してもいいレベルだが「経費削減」との理由で複合機は置かないそうだ。カラー印刷はコンビニに行ってこいというレベル。

 

そして、ある日ついに事件が起こった。

 

いつものように夕方、定時を過ぎ皆が日報を書き始める時間。

もう完全に耐用年数が過ぎているであろう、FAXからA4の紙が受信された。

 

A4の一枚っペラで届いた、その紙には驚くべき内容が書かれていた。

太字の手書きマッキーで書かれたであろう、その紙には。

 

「Aを〇〇月〇〇日を持って解雇とする」

 

本社の社長から発信された、その書類はA君への解雇通知だった。

しかもトレーに常備されていたのは裏紙…。

 

裏紙の解雇通知。

 

そんな物がこの世に存在するのか…。

こんなひどい扱いを人に出来るのか…。

 

と僕を含め、そこに居た社員たちは皆言葉を失っていた。

 

その後、作業を終えたA君がいつものように工場から戻ってきた。

首にタオルを掛けた現場スタイルもすっかり板についていた。

 

肉体労働の後のさっぱりした笑顔が似合うA君に誰も声を掛けられなかった。

掛けられなかったし、誰もこの事実を頑張っている彼に伝える事なんて出来ない。

 

その書類を持った部長がA君にその場で「解雇通知」が来たことを伝えた。

 

部長「あのなぁ…。今、本社からこんな手紙が届いたんだけど…。」

A君「…。」

部長「すまんなぁ…。会社の決定ということで…」

A君「はっ?なんだこれ?ふざけてるんスカ?」

事務所内で他の社員もいる中でやり取りされたバトル。

聞いているのも辛かった、僕は彼と仲が良かっただけに他の社員よりも辛かった。

 

 

 

 

すまんなぁ…。

すまんなぁ…。

 

と繰り返す部長にA君も、いい加減呆れたのか、落ち着いた様子で対応していた。

そして、A君は翌日に荷物を引き上げて会社を去ると言うことを決めた。

 

A君は誰よりも仕事に真剣に取り組んでいた。

取り組んでいた、真面目だからこそ、良いように会社に使われてしまったのかも知れない。

 

ちょうど、その頃繁忙期も終わり、仕事が閑散期に差し掛かっていた。

荷物運びの仕事も落ち着いた頃、A君の解雇も同時期だったのだ。

 

A君「俺、完全に荷物運び要因として雇われただけだったじゃん」

 

そう言い残してA君は退社していった。

 

短い間だったので連絡先の交換もしなかったので、その後のA君の消息は不明だが元気でやっていてほしい。

 

さて、残ったのは自分だ。

営業職になったは良いけど、この会社にいて良いのか。

 

自分もいつA君のようになるか分からない。

僕は営業周りに最中にいつもそんな事を考えるようになっていた。

 

 

 

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